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第7話、一生忘れられない、かけがえのないスラム街での青春の日々

更新日:2019年3月25日

ワーホリライフも2か月がたつ頃・・・ 生活にも慣れ、たくさんのカルチャーショックを楽しんでいた。

最初はホームステイから入り、キツラノというハイクラスな住宅街の家族と一か月住んだ。 その後、苦戦したけれど何とか仕事が見つかり(なんの仕事をしていたかは次の話で)

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二か月目はノースバンクーバーへ引っ越し、一か月ほど部屋を借りた。 毎日自転車で優雅にライオンズゲートブリッジを越えて通勤していたのはとてもいい思い出だ。

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自然が豊富なバンクーバー、ここで初めてそんなものに触れる楽しさに少しずつ目覚めていった。

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カルチャーショック、そして自然に触れる楽しさに目覚めたこと。

ここで、その点について少しだけ詳しく書いておくと、

そもそも僕は田舎生まれで都会に憧れがあった少年時代、前職は公務員。自分の両親はその世代の典型的な日本人の価値観を持った人、つまりは完全に典型的な消費社会、物質・経済主義な世界と時代で人格形成されて育っていた。 その観点からは自然や田舎に興味はなかったし、正直に言うとそういう所に住んでる人を若干見下していた部分もある。

今考えると、比較的早く気づけたこと、そんな価値観だけで一生涯を終えなくてよかったと思う。 長い時間をかけて人間としては成長してるかどうかはわからないけれど、今の自分の価値観と10年前の価値観は全然違う。 これは間違いなく、こうやって外を見て色んな価値観に触れてきたからだと思う。

それから、

ワーホリライフ、英語を鍛えるだけではなく、シンプルでリラックスした毎日なのでたくさんの時間がある。 自分なりにいろいろ考えてみた、なぜ日本とカナダ、同じ先進国であってここまで違うんだろうか、なぜカナダはこんなにも自由で居心地がいいんだろうか・・・

1、単純に自分が外国人だからなのか?お客さんだし、英語もしゃべれないからかわいがってもらえているのか?

2、カナダは多国籍で成り立っているのに対し、日本はほぼ単一民族だからなのか?大多数が多様性に触れれない上にそういう一律した軍隊みたいな教育をされる、周りと同じであることが好ましいとされる社会。 そうであるとマイノリティな人や自分のようにちょっと変わってると言われる人には生きにくい。 日本とは違いカナダは人種で差別されるようなことはなかった。

3、今のカナダはかなり若い国であり、はっきり言って文化や宗教観が浅い、そのため古いしきたりにはこだわらない、年上が偉いわけでもないし、敬語もない、というかそもそもそんな概念がない、『こうあるべきだ!』なんていう人はまずいない、ひとりひとりが自由に合理的に物事を考え発言することがよしとされている。

4、働き方に無駄がない、良くも悪くも時間にミリミリ厳しいことなんてない、そしてよくも悪くもクオリティが追及されないから生産ロスも少ない、だからまずそこで社会全体でストレスがかからない、売り手と買い手、雇用主と従業員などの立場の違いはあれど、どちらが偉いなんてこともない、お互いがお互いのおかげで成り立っているという当たり前のことを認識している。 飲みにケーションなどという無駄なものもなければ体育会系などという日本社会の元凶のようなものも存在しない。

もっと突き詰めればいろいろ出てくると思う・・・

だけどまあ、そんな無駄の多い頑張りのおかげもあり、統制が取れ、コストパフォーマンスから見るサービスのクオリティは日本が世界一だとは思う。 だけど今一度考えよう、そのレベルの高いものがどれだけの犠牲の上に成り立っているのか、人の時間、資源、本来あるべき楽しさ・・・・サービスの安売りにもつながり、結果自分たちで自分たちの首を絞めているとも言える。

こうやって旅行ではなく外国に住むことにより初めて異文化に触れ、別の角度から改めて自分の国を見つめなおしてみる。 もちろん今でこそ、それでも日本はたくさんいい所はあると言えるんだけど、当時の気持ちを言うと、このころからはどんどん日本が嫌いになっていった。

いつか、この旅が終わるころには自分の好きな場所を見つけてそこに住もう。 残念な発展を遂げた幸福度の低い、ストレスだらけ自殺大国なんか脱出してやる!!

そんな目標ができたのはちょうどこのころだった。

バンクーバーとても居心地のいい所、一生ここに住んでもいいかなとも思った、だけどまあ最初は世界中を放浪してからかな・・・

さて

ワーホリ生活3か月目。 環境を変えるのが好きな僕は、3回目の引っ越しをすることにした。

それが一生思い出に残るくらい面白いところだった。

ある日、中心街を歩いていた時に治安のよくなさそうな通りで見つけたホステル(安宿)の看板

『一か月300ドル』

おお、、、安い!! すぐに引っ越しすることを決めた。

📷 こちらです。

ホステルに長期で住むにもそれなりにメリットもあって 世界中から旅人が集まり英語使う環境にも最適で且つ友達ができやすい 破格の料金で好立地に住むことができるし、何より毎日夜は盛り上がってて面白く、貴重な経験になる(と思う)

デメリットとしては 盗難の心配、プライベートがない、沈没の空気がある、汚い、くらいかな・・・

つまり ・お金を節約して貯金したい ・世界中に友達作りたい ・英語を話す環境が欲しい ・集団生活にも多少の不衛生にも慣れてる そんな自分にとってはこれ以上いい場所はない。職場にも近くなったし!

それから・・・・初めてここで日本人としての恩恵を受けることができた、それはここのオーナーに受付に行った時

「もしかして・・・君??日本人??日本人は好きだから料金はサービスしておくよ」

(日本人は欧米人と比べて大人しいし騒がない、モラルも高く、設備も綺麗に使ってくれるからオーナーは日本人が好きらしい)

なんと・・・一ヶ月300ドルが240ドルへ・・・・おお ホームステイの1/3 貸し部屋の1/2

同じ宿の住人とシェアすればメシ代も節約できるしこれなら今後の人生の為に結構貯金もできそうだ。

しかし、、ここ、本当に面白いところだった。 その後、5年間くらいにわたり60か国ほど海外放浪したけれど、結局これ以上のクソ宿には出会えなかった。 (残念ながら今はオーナーが変わってしまっているので、同じ建物はあるけれど、名前もその色もなくなってしまった・・・)

さて、ここからは、世界最悪の宿における青春の日々の話です。

アメリカンバックパッカーズというところ、さすがに安いだけあって汚い。

まず、玄関のドアを開けると、ベッドバグ(南京虫)を消毒したような消毒液のにおい、そして大麻のにおいの怪しいコラボレーションが香ばしく。 客層も出身もバラバラ、本当に怪しい奴らばかり、ヨーロッパ系の底辺のワーホリの長期滞在者もたくさんいる。 少しだけ日本人もいる。

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それから治安も悪い。 買ってきた食材はすぐにとられる 窓ガラスは沢山割れてるし 食べた食器の中にタバコの吸殻を入れて、それをそのままシンクに流しシンクにタバコがたくさん浮かんでいる。 おまけにその使った食器を洗わない。 自分がキッチンを使う時はとりあえず最初に誰かが使った食器を洗うことから始めないといけない。 朝の7時からマリファナを吸っているヤツがいる。 飯を食べている横でマリファナを吸っているので飯が美味くない。 人の食材を勝手に取って食べるヤツがいる。 パソコンなどは目を放した隙に取られる。 コカインやエクスタシーなどのドラック系を強く勧められる。 とにかく喧嘩が絶えない。夜中の12時を越えて乱闘が始まるエキサイティングな日もよくある。 S〇X ROOMと称される部屋がある。 たまに警察もホームレスも入ってくるし とにかく宿が汚い。

まさにそんなスラム街の一角、

近所には 通称hasting.stといわれるスラム街が近くにあり、本当に世界の縮図がここVancouverにある

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裏にはマリファナカフェなんかもあって(これは合法だからいい)

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コカインなんかの密売所もある いかにも病気持ってそうな売春婦もいるわ そしてホームレスの密度が半端じゃない

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最初に鉄道やバスでvancouverにきてチャイナタウン付近に来た人は 本当に世界一住みやすい都市????と疑問を持ってしまうと思う それに留学生のエージェントには『危険地域、近寄るな』って言われてるところ

しかし、実際その近辺に住んで見た意見としては別にそんな危険なことなんて無いように感じる 危ないとっても治安のいい先進国カナダ、警察も厳重注意してる場所だし それならアメリカの各都市のダウンタウンとか、アジアの方がよっぽど危ない空気を感じてた

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むしろ海外旅行ではちゃんとこういう場所を見ておかないとダメだと思う。観光とかそう言う意味じゃなくて・・・

宿には変な奴もいっぱいいた。 夜中にいきなり自作ラジオを配信しだすメカニックなマネージャーもいれば 韓国人だと国籍詐欺する日本人もいる 何故か何回も何回も着替えて衣装チェンジする変な女もいれば 英語の勉強してたら頼んでも無いのに隣から英語を教えてきて、教えた代わりにレッスン代払えといってくる奴もいる 夜中の2時からドラッグやりだしてラリってた女もいるし いい年こいた大人のくせに二段ベットの上からウンコして下の人間に襲撃する奴もいる ソファーで失禁する女もいる 自分のベッドの上の奴なんかどこからか女連れ込んでるし(それが理由でやたらとベットがゆれてたし) 殿堂入りで一番ひどかった奴は、アジア人の男が好きなカナディアンの女が働いていて、可愛ければいいがジャンクフードの好きそうな典型的外人体系をしており、そのくせに自らをCatと呼びアジア人を見つけては絡み、イヤだと断ってもYesというまでしつこく付きまとうタチの悪いヤツがいて、まさに「リアルキングボンビー」だった。もちろん自分もその被害者。

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今思えば、ありえない日々だけれど、結局5か月くらい住んだ、今思えば毎日エキサイトして楽しかった。 休みの日は・・・・そこにいるニート軍団とみんな仲良くお金のかからない遊びをした。 特に自分に関しては盗難にあうこともなく、初めての海外生活をしながらも一年後にはその後の旅の資金もバックアップできていた。 世界中のやんちゃすぎる友だちがたくさんできたりもしたし。 今でもその時の友達とはちょくちょく連絡を取ったりもする。

本当に、ワーホリ生活、バンクーバーを選んでよかった。くそ宿に住んで良かった。

今では、そんな日々がかけがえのない青春の一ページとなってます。




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