第22話、世界の頂点を目指した話~海あり山ありアマゾンあり、赤道直下の国エクアドルの超マイナーなオススメ観光地~
更新日:2019年3月24日
日本を離れ2年半の月日が流れたころ・・・
世界一周10ヶ国目、赤道直下の国、エクアドル入国。
この辺いったいの国はなかなか普通の日本人の旅行者がサクッと行けるところではないけれど良いところです。治安は悪いけれど景色は素晴らしい。
ガラパゴスやアマゾン、海あり山ありジャングルあり。
小さい国なのに世界でもトップレベルの生物の種数を誇るそうです。
その月末にすでにボゴタからマドリードまでの航空券を取っているものだから南米で残された時間は2週間くらい・・・
南米の南のほうであまりにも時間を費やしすぎてしまった為にエクアドルとコロンビアに時間を費やすことができなくなってしまった たいつか、南米に戻ってこなければな。
さて、旅の道中に何度か噂には聞いているけどエクアドルには世界の頂点といわれる山がある・・・ それはチンボラソという(卑猥な)名前の山
(標高6310m)
あれ??世界一高い山ってヒマラヤ山脈のエベレストじゃないの?? あれ標高8000m後半でしょ??
それはどういうことかというと、、、
(wikipediaのコピペ)
海抜高度で見た場合世界一高い山はエベレストであるが、赤道地域の方がエベレストのある場所(北緯28度)よりも地球の半径が大きく水面も高い。この結果、標高ではチンボラソの6,268mよりエベレストのほうが約2,580m高いが、地球の中心からの距離ではチンボラソが約6,384.4km、エベレストが6,382.3kmであり、地球の中心から最も離れたチンボラソの方が約2.1km上回る。 (この日本のウィキペディアは間違いで6310mが正解だそうです)
なんだかトリッキーではあるけど、とにかくチンボラソは世界一標高の高い山ではないけれど、まさしく世界の頂点。 チンボラソは前回登頂したワイナポトシ6088mと250m位の差、もちろんそのレベルになると250mの差がどれだけの違いがあるのか知らないわけじゃないけれど可能性はあるんじゃないかと思っている
もう目の前にそれがあって挑戦しないわけにはいかない!!
そんないきさつがあって、北ペルーのマンコラというビーチリゾートからチンボラソを目指して進む(この辺一帯は卑猥な名前が多かったw)
まずはその麓町のリオバンバというところを目指す、そこにはチンボラソ登山のためのエージェンシーがある
あれがチンボラソ・・・おおおおおおおおお~~~~あれが世界のてっぺんか~~~~ この時のテンションは駄々上がり
そして到着するやいなやまずエージェンシーを探す・・・
と最初に見つけたエージェンシーのオフィスにカナダ人のおじさんがいて 話をしてみるとどうやら彼は日本人の彼女がいるらしく 一年間カナダに住んでた僕との会話は盛り上がる
よくよく話してみると共通の知り合いなんかもいて世間の狭さに驚き そんな感じのノリでそこのエージェントに決めることにした。
プライベートガイドで一日は高知順応トレーニングはサービスで3日間を特別料金250ドル(本来は290ドル)にしていただいた、しかしそれでも高い・・・・Extreme hikeだから仕方ないか・・・・
エージェントに登山を申し込んだ後・・・・登山まで少し時間がある。 それまでゆっくり休憩・・・・というわけには行かない。 体力に関しては常人よりもあるほうかも知れないけれど、それだけじゃあ登山はできない。 まず、地上じゃあどんなに強靭だったとしても高山に強い人弱い人という個人差はあって、経験上僕はあまり高所に強いほうじゃないような気がする
高所に対する順応訓練をしなければならない。
直前に海抜0のビーチにいたというのはかなり痛いけれど一週間前まで4000m近くの高地にいた、そして半年以内に一度6000mの山を登頂していることはよろしい。
つまるところ・・・・なんともいえない、コンディションでいえば悪くはないけどすごく良くも無い。
とにかく訓練。
その日はすでにバックパックを担いで2800mくらいのところをとことん歩いてるからいいとして
次の日は隣町の標高3000mの村までジョギングすることにした。
山の上には何か面白そうなものがあった。 どうやら巨大ブランコとケーブルカーのようだ
料金は1ドルっていうもので、思い切ってやってみることにしたんだが・・・・
ブランコのほうは問題なかったんだけど
ゴンドラで思ったんだけど、なんだかボロボロサビサビだし、ガタンガタンと危ない音がしているこれはもしかしたら落ちたりしないか????
強風に吹かれ、なんだか今にも落ちそうなゴンドラ・・・
おそらく落ちたら死ぬであろう高さ・・・・今まで乗った絶叫系の中で一番の恐怖だったことは間違いない こんなにも絶叫系マシン(?)でマジでがくがくぶるぶる震えたのは初めてだった・・・・
そしてツアー当日、エージェントの車に送迎してもらい、チンボラソの麓まで・・・・
標高3700くらいのちょっとした宿泊施設に泊らせてもらうことになった。ちなみにエージェンシーからサービスとしていただいたのがこの日の高地順応の為の一日分
ドライバーのブラジル人のおっちゃんに送ってもらい、移動中は日本の車のことばかり質問されるが生憎車を運転したことない僕が質問に答えれるわけも無く。
そして到着、『ここの人たちは英語喋れないぞ、お前スペイン語は大丈夫か???』
『まあ問題ないよ!!』
荷物をおいてしばらく休憩した後に歩き出す。 目標はチンボラソの向かい側にある小高い丘、標高は4200m。
歩く、歩く・・・・・歩く
深く深呼吸しながらこのくらいの高さになるとゆるい坂であっても少し、苦しくなってくる・・・・ 美しい景色の中を歩くトレッキングは本当に気持ちよかった。
そして反対側に常に見えてた山・・・・・チンボラソ・・・見れば見るほどカッコイイ山だ・・・あれが世界のてっぺん....
そして小屋に戻り、この日の合計歩行時間は4時間程度・・・コンディションもなかなかよろしかった
しかし、この日の夜・・・・なんかおかしかった、頭痛もないし高山病ではないと思うんだけど なんだか食欲がわかない・・・そういえばこの日は朝ごはんしか食べてないぞ
これほどの高地を4時間歩いたのにお腹がすかないなんて変だ
しかし、何も食べないわけにはいかないから、自分で持参してきた食材で簡単な旅メシ、チャウメンを作る。。。
が食べた後に全部吐き出してしまった・・・・
自分で料理して、自分一人で食べて、吐き出して、それを自分自身で掃除する・・・・
ああ・・・なんて無駄な時間を・・・・
思っているよりも体が疲れてるのかと思い、早めに就寝した。
そしてとうとう登山開始、チンボラソへ挑戦する日がきた・・・・ 朝の10時半ごろ、迎えの車が予定の時刻よりも早くやってきた。 それに乗り込みチンボラソへ向かう、この日の目標はレフジー(山小屋、簡単な宿泊施設)だ 車で走れるまで車で行き、そしていけなくなってから山小屋まで歩く
この日の工程は4800m~5000mだ・・・そうなんだ、この辺からが苦しくなって来るんだ・・・ 前回のワイナポトシも同様に4700くらいからスタートだったから・・・・高山病にかかってしまったもんな
ゼーハーゼーハーいいながら、彼らのペースには合わせられないから自分のペースで登る・・・ 普段のハイキングでは他の旅行者達よりもわりかし強いほうだけど、どうやらこの中では圧倒的にお荷物か・・・・
(横にはビクーニャというこういった獣がのろまな僕あざ笑うかのように通り過ぎていく・・・・)
たったの200mアップだけどバックパックに登山用の装備を全部入れて歩くのはかなりしんどくて、到着するやいなや横たわる・・・ みんな鍛えれられたツワモノばかりだ・・・・
その日は昼ごはんを食べて昼寝、晩御飯を食べて夜の登山に備えて就寝。 今回はプライベートガイドということで、自分ですべてスケジュールを注文してよい 目安として早い人で6時間、遅い人で8時間らしいから
何が何でも登頂したいから余裕をもって8時間の目安で進むようにお願いした、高地順応したエキスパートじゃないからそのくらいの余裕を持つことが大事 だから出発は夜中の11時、10時までは仮眠・・・・
予定通り夜10時に起床。 熟睡できたかといえばそうでもないけどまあ思ったよりは寝れたんじゃないかな。
しかし・・・外はものすごい勢いで風が吹いている・・・・
ガイドは告げた・・・・この風じゃあ上れない、しばらく様子をみるからお前は休んでろ・・・
と言われふたたび横になり休養をとることにした、一時間ほど・・・・
ガイドは告げる・・・
すまんが今日は上れない・・・
うっそぉ~~~~~、まじっすか???
『じゃあわかった、明日まで延長してもかまわない』
というが
「残念だが俺は明日はすでに別の仕事の予定が入ってるから別のガイドを雇わないといけないぞ、となると140ドルほどかかる」
こういったものには本当にこれだけの料金がかかる
しばらく様子をみて・・・
このままいけるところまで行こうという決断になった。 それはすでに12時半を回っていた、6時間半というきわめて少ない時間の中でてっぺんまで行かないといけない これはかなり厳しい・・・けどいける人はいけるという
やるしかない・・・
ということで装備を整えて出発。
最初の20分ほどは緩やかな上り坂・・・・・ しかしその後はほとんど45℃に近い上り坂・・・
標高を5000超えてからのこののぼり坂はしんどさも半端じゃない
そんな中 地面を這いつくばるようにすすみ、何回も何回も坂を転げ落ち それでもわずかな可能性があるのならと・・・ひたすら暗闇の中を進む・・・・
・・・・・・
・・・・・・
・・・・・・そんな格闘が続く・・・・・
そして・・・
ガイドからはタイムアップが告げられる。
結果をいうと・・・・登頂はできなかった・・・
ちなみにこの日の登山者達の登頂率は0% もともとは高地順応したエキスパートで登頂率50%の山だ
もしかしたらあの殺人級の強風が無ければ・・・もしくは時間通りに出発できていたのであれば登頂できた可能性はあったかもしれない。 まあそれはあくまで可能性の話であって、そんなことはわからない、自分の力不足だったのも事実だしそれでも難しかったかも知れないな
ちゃんと体を慣らして経験を積んでいったのであったらまた別だとは思うけど。・・・高山経験が未熟だった。
それでも今回、挑戦できて良かった思う。 まわりのみんながどんどん離脱していっても、どんなに苦しくても絶対に登頂してやるという気持ちは忘れなかったし体調管理も前回よりもよっぽど出来ていたと思う、でもそれでもダメだった・・・・
とにかく南米最後の挑戦はこういった形で幕を閉じることとなる。 そしてこれを登頂できなかったことがいつか一生涯の財産となることを願う。
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