さて、世界一周中に海外就職をしてそのまま腰を据えてしまおうという話の完結編です。
住所不定無職で会社に属さない世捨て人となり地球上をプラプラしていた若かりしあのころ、、、その時どういう人に出会いどういう価値観を学び、そしてどういう行動をとるか、それがその後の自分の人生を作る。
僕の海外放浪時代はまさに、その毎日毎日が人生の分岐点といった感じでした。
ちなみに何故海外就職に挑戦してみようとかそんなノリになるのかというと、僕も同様に世界中の色んな人(旅人)に出会い、自分のやりたいことで食っていってる話だとか、放浪の果てに自分の住みたい場所を見つけ、そこに移住して暮らしている人の話だとか。
そういう人の話を当たり前に聞いていた日々だったので、まあ自分も可能なんじゃないか?
と、背中に羽が生えた気分になっていたのです。
さて、僕の今回のジョブターゲットは簡単にいうと目標は、再び『犬ぞり操縦手』に帰り咲くこと。
具体的に言うとそれをやってる会社を見つけなければならない・・・・つまり海外就職、もしかしたらそこへ移住することにもなる。
しかしそんな簡単な話しではありません。
ここがもし日本なら・・・
単純に北海道なんかの犬ぞりやってる会社に突撃しに行くだけですが、ここは海外。
労働ビザだとか、言語や国境を超える問題、正規の方法で働く手順を踏まなければなりません。
ノータリンな私でもそのくらいはちゃんと理解しています。
もちろん闇で(労働許可なしで)働くなんていうことも地球放浪者はよくやっていますが、自分の天職にしたいと考えている僕がずっとそんな手段で・・・というのはさすがに考えてません。
そもそも犬ぞりなんていうのは昔の極北での馬や車が走れない場所での交通手段なだけであって今では文明の発達によってスノーモービルに打って変わってしまいました。
つまり、今日の犬ぞりというのは前の会社のような観光業、もしくは誰かの趣味でやってる人、そして数は少ないけれど一応有名なものでいえば『ユーコンクエスト』などのスポンサーなどがついてる犬ぞりレースなんてのもあります。
要するに僕が「犬ぞり操縦手になりたい」ってのは「俺は馬好きだから馬乗りになりたい」っていうのと少し似てるかもしれません。
しかし業界の規模で言えばやっぱりこっちの方が断然狭い・・・
そもそもそれで食っていけるのかどうかも疑問でもある・・・そんなことやってる日本人がいるのかも知らない、そしてやってる場所は雪がある場所、おそらく山か北国だ。
実はこれはすでに南米にいた時の後半くらいからちゃくちゃくと作戦を練っていて
出会った旅行者には自分のモチベーションを上げるためにこうやって夢を目標を語り
欧米人旅行者に出会えば具体的な情報を聞く
そしてまとめた情報では
自分で調べたネット上の情報と出会った人の話から参考にして・・・有名なところのやってる国でいえば
スカンディナビアのノルウェー、スウェーデン、フィンランド・・・
そして北国、アイスランド、グリーンランド、ロシア
アルプス山脈周辺のスイス、フランス
そもそも犬ぞりの文化自体は北米発祥だからもっとも有力なのは北米に戻ることであるけれどそれはまず考えないでおこう・・・・世界一周中に縁があってこのタイミングでヨーロッパにいたわけだし、知らない場所を開拓するのも好きだし。
とりあえず、これらの国のリストから考えなければならない。
まずは犬ぞりを仕事にするためにはそれをやってる観光会社を探さなければならない
そして日本人はヨーロッパ人とは違いヨーロッパのどこでも簡単に働ける訳じゃあない
そこでずっとやっていきたかったらその国から労働許可をちゃんともらわないといけない・・・・
そもそも労働許可をもらうって・・・・どうするんだ???
それの手続き方法は国によって違ったりするけれど、条件等はまあどこの国も似たようなものではある。
簡単にいうと、国がその人がその国で働くことがその国にとって有益になると思われればよい。難易度等は各国間の関係にもよるし、その国の事情にもよる・・・・
例えば日本人がバックパッカーでアジアを回っててそのまま日系企業など?に就職してしまうケースもよく聞く話ではある・・・・が、単純にヨーロッパは日本人にとって大陸別で言うと難易度は最も高い、特に北欧・・・相互の経済的な事情が関係してたりもするらしい。
しかしそれは開拓好きな自分にとっては逆に燃えてくる事ではあるから別にそれでひるむ事はまず無いんだけど。
とにかく
まずは自分を受け入れてくれる会社を探し、スポンサーになって政府に労働許可を申請してもらうのが一般的。
だけどいくら会社が欲しがっても国が『NO!』といえば残念ながら労働許可は下りない・・・・運も必要。
僕が働くことが国にとって有益になる事か・・・・・・・・・日本人、犬ぞり経験者、変人・・・・・この3つの強みを生かして真剣に作戦を練る。
今となっては、どこの国に行ってもどんな場所に行っても楽しくやっていける自信はあるからその仕事さえできるのならどこの国っていうこだわりは無いんだけど・・・
やっぱりまずは日本人を欲しがる会社を見つけることが最優先だな。
日本人を欲しがる会社ってのは日本人が沢山滞在してる観光地だ。
そしてもうすでに分かってたこと、ウユニの雨季と同じで何故だか特別に日本人旅行者のトレンドとしてはオーロラにもクレイジーになる傾向がある。
ってことは・・・・・・オーロラ観光で有名な国はどこだ!!!
北欧だ!!!
つまりカナダの時と似たような会社、そしてオプションで犬ぞりをやってる所を探すってことになる。それが一番確実性の高い道だと思う。
もっと調べてみると、フィンランドはサンタクロースの発祥の国だといわれてて、サンタクロース村という観光地がある
得た情報ではそこもオーロラが見える町であり、沢山のスノーアクティビティもある。もちろん犬ぞりアクティビティもやっている。
日本人旅行者も沢山滞在してるんだとか・・・・
サンタクロース村か・・・・
(全く関係無いけれど僕はクリスマス生まれなので何かの縁も感じる、そこで働けたらなんとなく面白いかも・・・・)
・・・・・・というわけで
やってきました、世界一周15ヶ国目、フィンランド到着!!
目標はサンタクロース村・・・・・
それはスカンディナビアの北一帯をラップランドと呼び、そこに位置するロバニエミという町の近くにあるようだ。
飛行機を乗り継ぎ、電車も乗り継ぎラップランドへ・・・最も一番安い方法にてそのサンタクロース村のある所を目指す。
今までの物価から考えると貧乏旅行者にとってかなり苦しい国だけれど今後この国で働けるかもしれないと思うと・・・まあいい投資と出費であるはず。
もしかしたら今回の目標・・・犬ぞり操縦手として雇ってくれるところを見つけるのがゴールだけれどそれは難しいかも知れない、っていうのもそもそも日本人マッシャーを欲しがるのかどうかも疑問である。
まあ最悪マッシャーとして雇ってくれなくても、何かそれに準じた現地のスタッフとして雇ってもらえさえすればそこから何か道が見えるかも知れないから最悪それでもかまわない。
もちろんそれすらも上手くいく保障なんてものはどこにも無いけれど今こうやって自分の能力を生かして挑戦が出来るということというのはそれ自体が本当に人生の喜びなんだ。
しかし、本当に腹案を考えて、すべてダメだった時はどうしようか??
『ボランティアでもいいから雇ってくれ』なんてことは言えない、90日だけヨーロッパに滞在が許されたシェンゲン協定で言うとあと二ヶ月もここに滞在することができないからだ
そこで、それまでに得た情報の中からひとつ浮かんだのが別のアイデア・・・
日本人にはひとつ、このシェンゲン協定を無視してヨーロッパに1年間滞在できる素晴らしいビザを取得することができるそうだ。(2012年秋の話です)
それは『ドイツワーキングホリデービザ』
条件は30歳まで、当時ヨーロッパで取れるワーホリは、アイルランド、フランス、ドイツ、デンマーク
名前はワーホリじゃないけどイギリスでは2年間のワークビザを取得できる。
雇用主が決まってる場合は条件付で35歳までスイスも一年半のワークビザ、これは技術研修生と呼ばれる類のものだ。
普通はワーホリの申請は日本から行うのもので、特にヨーロッパなんかは厳しい
その中でもドイツに関しては2010年、私がカナダにいたころにルールが改正されて
制限人数は無し、そして日本国外からでも、ドイツ国内からでもビザの申請ができるという。
そんな、日本に帰らずして一年間合法でヨーロッパにいることができるビザは本当にありがたい。
これを利用すれば、ヨーロッパに滞在できるビザはもっているから上手く時期を合わせればシェンゲン協定で滞在限定される国ではドイツ以外で3ヶ月限定でアンダーテーブルで1シーズンのみ働くことも可能だ。
もしくは、最悪給料は要らないから1シーズンでもいいからボランティアで働かせてくれ!というふうにお願いすることもできる。
もしくは今年ダメだった場合は来年また挑戦することができる。
こんな素晴らしいビザを有効活用しない手は無いだろう。
そう考えてしまえば『何が何でも今年で勝負を決める!!』ってあわてる必要も無い、例えば今年がダメだったとしても『一年はヨーロッパに住んでるから来年のスタッフのために面接をしてくれ』っていうのもありかな・・・
とにかく、今回の目標は自分を宣伝して回ること、それに限る。
もちろんそれですんなりいけばそれ以上のことは無いし
もし最悪ダメだったとしても、せっかくこうやって来てるわけだし無理やりでもインタビューだけでも受けさせてくれとお願いすることが一番重要
かな・・・・
それこそフィンランドにワーホリ制度があったらよかったんだけど
『働けるビザはあるからとりあえず一回俺を使ってくれ!!』
と殴りこみに行くことができる。しかしないものはない、しょうがない。(2012年の秋の話です)
まずは、どうやってフィンランドで働くのかを調べなければならない。
フィンランドにある日本大使館、日本にあるフィンランド大使館サイトのウェブページを見てみる・・・
世界中どこにいてもパソコン持ち歩いて、wifiにさえログインすれば日本語の情報に触れれる時代、そして英語はさらに膨大な量、すごい便利な時代だ!!(2012年秋ごろの話)
※夜間の乗り継ぎ便の合間にもこうやってひたすら一晩中調べものしたものだ。
こういうとき、英文、日本文、どちらもチェックするんだけど
僕の理解力では本当にこういうのは苦手だ、こういった文章処理は本当に内容が難しすぎる・・・・学も無く・・・そして英語なんてほとんど会話と実践から学んだような僕にとっては、こういった文章を読むだけで本当に疲れてしまって、それだけで一日が終わったりした日もあった・・・
まあとにかく
フィンランドで働くためには~~~と~~~が必要で~~~に申請する、通常はフィンランドに入る前から申請するもの。
そして『どのページにも基本的にはフィンランドに入る前に受け入れてくれる会社を探すのがのぞましい』というようなことが書いてある。
しかし特例としてごくまれに国内から申請できる場合もある、というようなことも書いている・・・・・
???????
さっぱり意味がわからん!!
英文でも日本語でも結局は良くわからないけど、全く理解できなくて大使館に電話で直接聞いてみた。それでもド阿呆な私はあんまり理解できず・・・
とにかく普通はフィンランド国外からの申請だけどごくまれに国内からでも申請できるってことで認識していいのかな???
じゃあまずは会社からのオファーを受けないといけない。
そしてそこにある会社を調べ上げ・・・いくつかメールを送ってみた。
え??どうやって調べたのかって??
それは・・・・・
その時代でも斬新なやり方だと思ったけれど、フェイスブック、カウチサーフィン、クライグスリスト、色んなネット上のコミニティサイトがあって
そこの掲示板に情報を求めた!そしてすでに現地の会社とも、そして現地人何人かとコンタクトはとっていた。
特にカウチサーフィンは今とは違い小さいコミュニティだったので世界中に散らばる家族のようなコミュニティだった
趣味や自分に近いコミュニティ通じ、そこに行かずとも友達ができる時代・・・
自分の検索力が低すぎるのか、ネット上で自分で探してヒットした会社は1,2個だけだったのに・・・・
こうやって現地人のネット住人の助けを借りることにより、到着する前からロバニエミのほとんどの目ぼしい会社のリストはそろった・・・すごい時代だと思った。
いくつかの会社は僕のメールに好印象のように見受けられる。
彼らの話ではとにかくサンタクロース村は本当に日本人観光客が沢山来て、特に12~2月の間なんかは日本人だらけになる日もあるという。
会社側としても日本人スタッフを欲しがってるそうだ。
個人情報を送ってくれと頼まれ、欧米スタイルの履歴書『レジュメ』を作成して送る。
そしてようやく到着、ロバニエミ。
ここは北緯66℃、ここから北のことがArctic circleとよばれ2年前にいたイエローナイフ(北緯62℃)よりも更に北にある。
9月でありながらこの日の気温は-5℃・・・うん、暖かい!!
ロバ二エミの町並みはこれといって何の特徴も無いけど、旅序盤とは違いこういった町の方が少しづつ好きになりつつある今日この頃。
派手派手な観光地ではなく人の生活が垣間見える感じ、ちょっとしたローカル感。
人間というものは歳と共に趣味思考は変わっていくものなのです。私もきっとオッサンの兆候が出てきているのでしょうか??
(それともただ単に旅に飽きたのでしょうか?)
まずはツアリストインフォメーションに行ってマップをもらい、いくつかの情報を聞き出す。
自分のことを話すとインフォメーションのお姉さんたちにはすごく好印象だったし、結構理解があった。
きっと同じように冬の仕事を探している人は結構いるのだろうか??
ひとつ聞けてよかったのが、ちょうどこの時期に来たのはベストタイミングだったということ、っていうのが基本的にどの会社も九月末で募集を締め切って、10月から選考に入って人を雇う。そしてトレーニングはぼちぼち11月から開始して本格的なシーズンは12月から2~3月まで、要するに流れ的には前の会社と同じだ。
直感でこのくらいの時期がベストかなと思ったけどどうやら的中したようだ。
そして、やはり予測していたのと同じで、もちろん犬ぞりをやってるところはあるにはあるけど会社としてはたったの4つ。
そしてネイチャーガイドをやってるような会社は通称サファリといってそれから提携している犬ファームというのは沢山あるそうだ・・・・
そしてやっぱり犬ぞりだけをやる仕事ってのはやっぱり基本的には無理だ、他のガイトと兼ねての犬ぞり操縦主として働いている人はいる。
この辺は前の会社でもそう。
つまりもっとも有益なそれらしい道で言えば、ガイドにならなければならない
それから、、、ここでいわれたのは日本語を喋れるってのはここでは大きなアドバンテージになるのかも知れないけど・・
よくよく考えてみると同じようにデスアドバンテージで言えば
僕がちゃんとした英語を喋っているのかどうかってのにはちょっと自信が無い・・・
もちろんコミニケーションを取るには十分な英語力はあるとも自分でも思っている
しかし当たり前だけどここでガイドをやる以上基本は英語が喋れた上での他言語がまずは必須になる・・・
もっとも、2年半前、日本を出発した時、どこの誰よりも英語ができなかった時から比べたら一回の海外放浪でここまで上達していること自体はかなり立派に上達したものだとは思うけれど。
今はメッセージから文章作成から電話から面接まで、全くの異国ですべて英語のみでやってるくらいだから・・・
しかし、さすがにアメリカ人やイギリス人などネィティブに対してこんな専門的なことをガイドが出来るかどうか、彼らにストレスのないガイドになれるかどうか・・・・・・・・・う~ん。
まあそれは会社側が決めることだ、考えるのはやめよう!
ロバ二エミに到着したのは木曜、そして金曜から行動を開始したんだけど土日はほとんどどこのオフィスもあいてなく電話してもつながらない状態なので何もできず・・・
しょうがないからインフォメーションセンターにて仕入れた情報をもとに目星の会社リスト作り、作戦を練ることにした。
週末はこうやって、そこで知り合った現地の人達のキャンプファイヤーに混ぜていただきました。同じようにこの時期に仕事を探しに来ていたアメリカ人のおねーちゃんなどと情報交換したりもした。
フィンランド人の国民性は他のアグレッシブなヨーロピアンとは違い、聞いたとおり本当にシャイな感じ。
どうやら言語の中にhello,how are youに該当する言葉が無いんだとか・・・
通りで出会った人は知ってる人じゃない限りまず挨拶はしないとか
ジョークが攻撃的でなく優しいとか
食事の時は必要以上に喋らないとか
何だか日本人といるような感じだ・・・・親しみを感じる
それまでに出揃った会社のリストは全部で25。
そのままメールを送ってみた。
もちろん犬ぞり操縦手に返り咲くのが夢だからハスキーファームだけを直接攻めるのが良いけれど、せっかくそこにいるのでサファリパークもサンタビレッジ、サンタパークなどある程度次につながりそうなものまで視野に入れることにする。
っていうのは取り合えず、犬ぞり操縦手になれなくてもせめてそれと近いところにいればいつかはチャンスは転がり込んでくるものだと思うから。
それから
普段はケータイなんて持ち歩かずに旅行してたものなんだけど今回は新しい携帯とSIMカードを購入した。ここでつながれた友人達の紹介で一か月ほど部屋を借りた。
そして10月1日の月曜には片っ端から会社に電話・・・
そのまま電話でインタビュー(面接)になった会社もあったんだけど、その会社はフランス語を喋れないと雇わないとか言われてボツ・・・・
連絡の取れた会社で外国人を雇ってるといっても募集枠がないといってそのまま断られた会社もあった。
そして午後は街まで出て行っていくつかの会社を訪ねてみる・・・・
ほとんどの会社のオフィスはしまっていたけど二つほど空いていたのでたずねてレジュメ(履歴書)を渡す。
ひとつの会社はそのままマネージャーのもとまでつれてっていってもらいインタビューまで受けることができた。
なかなか感じのいいマネージャーで好印象だったように思う。
『今ちょうど人選中でもうちょっとじっくり選考してみてもし君が必要だと思ったら連絡するよ!』だって・・・・
※借りてた部屋からの窓の外の景色、いつの間にかこんな雪景色になっていた
それからの日々は
情報収集して・・・
名簿リスト作成して
片っ端からメールして(履歴書おくって)
電話連絡して
都合が合いそうだったら面接してもらい・・・・
ってな毎日がつづいていたけれど・・・・実は結構暇をもてあましていた。
ロバ二エミ周辺だけじゃなくフィンランド中の目星のつけた会社にはおそらく全部に履歴書メールは送ったと思われるけれど。
意外とそんな作業もなれたらすぐに終わってしまい、やることがなくなってしまう・・・・
半日くらい筋トレや運動したり、英語勉強したりの自己啓発、、、
それでも時間はあまるので観光もぼちぼちやっていた。
ロバニエミの町の中心から8kmほどはなれた場所にあるサンタビレッジ・・・そしてサンタパークはまだシーズンじゃないので休業中。
この建物の中には世界中の子供たちの憧れのサンタさんがいた。
入場とご対面は無料ですが、一緒に写真を撮るだけで30ユーロ、もちろん貧乏旅行者はそんなものには払えず。
しかし、面会がタダと聞いた貧乏旅行者の私が会いたがらないわけがありませんので一応サンタさんに挨拶しに行ってみた。
(払えないので写真はありません!!)
噂では彼は26ヶ国語ほど話せるらしく
日本語もそこそこ話せるよう。
『君は日本のどこから来たんだい』
「福岡出身だよ」
『福岡のどのへんだい??』
「えーっと太刀洗っていう久留米っていう都市の近くなんだけど・・・わかるかな??」
『ああ!!そういえばそこも去年のクリスマスに行ったんだよ~』
「えぇぇぇ~~~マジッすか~~~」
というサンタ部屋内ではそんな僕とのほのぼのとした会話が繰り広げられました、このようなものにまでそうやって夢を与えてくれるなんて・・・プロです!
しかし・・・・・・・・・・
ひとつ言っておきます。
このサンタテーマパーク、まだこの時期はシーズンじゃなくて人はガラガラで
お土産やとか売店の人たちはスペインの店員と同じくらいやる気が無いようですが・・・・・まあそれは仕方ないけれど
ここ・・・・
間違っても野郎一人で・・・・貧乏旅行みたいな人は滞在することをおススメしません!!!
絶対にいろんな意味で寒いです・・・・
私も職探しとはいえこうやって観光客な立場としてきたのですが、かなり場違いでした。
しかし・・・・そのサンタビレッジに来た一番の目的は・・・・
ここに犬ぞり会社が併設されてて、電話をしたら好印象で『できれば来週あたりに会いたいな』なんてこと言われてて「そんなに待てない!!」
と思ってこのサンタビレッジに併設してる犬小屋に突撃しに行きました。
そり犬達と対面・・・・幸せ~~
可愛い赤ちゃん。そり犬って本当に見た目はたくましいのに中身は単純で本当に可愛い・・・・
そして赤ちゃんそり犬は普通の赤ちゃん犬よりも数倍可愛いような気がする。
ちょうどそこの犬小屋に一人のおっさんが暇そうに携帯いじってたので、挨拶すると、どうやらそのオッサンがマネージャーだったようです。
突然こうやって来ていいものかと最初は悩んだけれど、彼はすごく歓迎してくれてそのまま面接に・・・・来てよかった!!
自己紹介、今までの経験、そして何故犬ぞりなのか・・・できる限りアピール!!
なかなか好印象だったと思う。
『今は見積もりが出せないけど少し待ってくれ、必ず折り返し連絡するから!!』
という返事だった
トミーと言ってなかなか感じのいいおっちゃんだった、サンタ村の売店のおばちゃんたちからの評判もすこぶるいいようだ。
是非とも彼の下で働きたいものだ・・・・
それから何日か後にも他のハスキー会社ともコーヒーショップで面接できたり
うんぬんかんぬんやったり・・・
ノルウェーやスウェーデンの似たような会社にもひたすらメールを送り。反応があったところと電話面接などをさせてもらい・・・
あとは自分にできることは待つことだけ・・・・
さて・・・・結果報告なんだけど・・・
結果からいうと、ここで仕事をゲットすることは出来た。
・・・・んだけど・・・・やはり思うように簡単にはいかなかった。
そもそも、犬ぞりやってる会社は沢山ある・・・だけど今回はやれない、って言うのは犬ぞり自体は少人数でこなせる仕事だからだ。殆どのはハスキーファームは家族で経営してるようなところ、かなりコアな狭き門では外国人も雇ってる様なところもあるけど。
ここではもう何年もやってる人ばかり埋まっててすでに募集枠は無い状態ということだった。
もともと知ってた会社にはメール送ってて、募集枠が無いことを告げられてたし。
ここで知れた会社にもコンタクトを取ってみたけど、すでに遅かった。
これに関しては・・・もし誰かが辞めたり、穴が開くのであればその会社さえ認めてくれれば来年でもその仕事に携われるかもしれない。
とにかく今年は出来ない。
まあいい、ちゃんと面接は受けてきたから来年への種は撒いたことになる。
運よく声がかかれば来年はいけるかもしれない。
だから今回狙ったはガイドの仕事。
ここでのサファリのガイドは、極寒の中、ワイルドに
ドライバー
スノーシューなどによるネイチャーウォーク
犬ぞり、スノーモービルなどの案内
キャンプファイヤー
そしてオーロラガイド
みたいな感じでオールマイティに何でもこなさなければならない。
これは将来的に犬ぞり操縦を天職にするのであればこれは絶対にいい経験になる。
そしてとにかくバリバリワイルドでしびれる響きの仕事ではある・・・
そしてスノーアクティビティに関しても一通り案内してたものだから、ある程度はわかるとも思うし。やれるのであれば絶対やっておきたい仕事ではある。
しかしここでは問題が・・・・一番大きな問題として思っていたものがここに来て浮き彫りになってしまった
ある日、とある、外国人にビザも提供しているらしいサファリ会社の親分から個別に呼び出されて個人面接を受けた際には
『ほほう、なるほどなるほど・・・・なかなかいいね君』
といわれた時には心の中でニヤニヤしていたんだけど
『ところで君、車は運転できるのかい??』
と質問される。
・・・・
うわっ、やっぱり聞かれた!!
・・・・
いいえ・・・持っておりません。
黙っていてすみません。
(しばらく沈黙)
『そうか・・・もし君が車が運転できれば是非ともうちでガイドとしてやっていって欲しかったんだが・・・』
はい、、、、、実は私・・・・・車を運転できる免許を持っておりませぬ
『ん????国際免許がないの??それとも期限切れたの??』
いや、そうではなく生まれてこのかた車の運転をしたことがありません。
ハンドルの仕組み等も知らなければ、車のエンジンのかけ方も知りません。
『あれ???自衛隊って車の免許取れるんじゃないの??』
はい、可能です。これはもうもはや巷では有名な話ですよね。
私と同じように18歳で免許なしで入った若者でも何年かやれば車の免許も無料で・・・・
しかも普通の車じゃなくて大型車両免許をタダで取得できるのです。(今は中型かな?)
車以外にも所属する場所によっては二輪だとかキャタピラとか色んなものを取れます。
その際は、自衛隊内にある自動車学校のようなものがあって、そこで3~4ヶ月ほど教育を受けることになり。
もちろん月~金の8時~5時までの課業時間の中で車に関する教育を受けます。
つまりタダどころか実質お金をもらいながら免許を取ることが可能というわけです。
だって普通の人は自分の時間を割いて授業料払って自動車学校に行くのに、そこではその教育を受けることが仕事のようなもの。
『じゃあ何で取らなかったの??そんなおいしいところに6年もいたのに・・・・もったいない・・・』
はい、もちろん取得したかったです。普通は6年も自衛隊にいれば車どころか色んな免許が取れます。
しかしこれには部隊ごとに自動車学校へ受け入れる数というのが決まっていて。
基本はまず若い隊員の中で上の階級の人からの順番となる。(もしくは人事に好かれている人から順に)
しかし、そこにいくための3~4ヶ月のまとまった期間を部隊からそこへ預けることが可能な人からの順番となります。
僕はわりかし同期の中では階級上がるのは早かったほうではあったのですが、そういう期間的なタイミングが合いませんでした。(そしてもう一個の理由は人事に嫌われていたからだと思います)
ずっと何かしらの教育隊にいたし・・・陸曹になった後に、空挺団とか挑戦しなかったり自衛隊体育学校なんかにいかなければ間違いなく取れていたとは思うけど。
仕方ない・・・・そんな青春時代もアリマシタ。
タイミングが合わないなら自腹で自動車学校に通って取りにいくのもありといえばありだったんだけど、プライベートの時間で自動車学校に通うのも勝手にやったら処罰もので、それの許可も下りなかった・・・
そして退職したのがその2年前の3月で、やっと自由になったにもかかわらず退職した同じ月にそのまま海外へ出ちゃったキリ日本に帰ってないもんだから・・・
まあ、日本にいた時は、本当に取るタイミングが無かった。
・・・・・・
『え~、じゃあそれだけ長いこと海外フラフラしてるんだったらどこか簡単に取れそうな国で取ればよかったのに~~』
それももちろんずっと考えていました。
それをやれたであろうところはワーホリで一年滞在していたカナダ。基本的に外国人であろうとちゃんとしたソーシャルナンバーと警察署などに提出した住所があるんであればほとんどの国で車の免許を取ることができる。
そしてある程度教育水準が高い国として認めてあれば、(というか先進国同士であれば)そこに3ヶ月以上住んでたことを証明できるのであれば日本に帰った際に日本の免許に切り替えることもできるそうだ。(すべて2012年の秋の段階の話です)
『本当にその通り、1年も住んでたカナダで取ればよかったのに~~』
それは・・・・その通りだ。カナダで取ればよかった・・・しかし・・・・無理だった。
いや、できたかもしれないけれど、最初にバンクーバーにいたころなんかは英語翻訳の電子辞書を片手に持ち歩かないと日常英会話すらままならなったものだし
イエローナイフにいたころも、ネイティブカナディアンと一緒に仕事してたのに意思疎通が十分には出来なかった。
まあ一般の会話をそのレベルにしかこなせない奴がまして車の免許など専門的なものを取得できる訳が無い。
バンクーバーには日本語の免許試験があるとも噂では聞いていたんだけど教習はない、そんなものもままならない状態では結局厳しかったと思う。
つまりあのころの自分には就学スキル的に無謀なことでした・・・
だが・・・・今はどうだ??
ここで車の免許を取るのはどうだ??
今ならその時よりも英語はかなり上達してるわけだし。
フィンランドは教育水準を世界的にも評価されていて、若い子達の英語レベルは相当高い評価されていて、若い子達の英語レベルは相当高い
そして留学生とか外国人労働者も沢山いるロバ二エミ。
これだけの環境だったら自動車教習所で英語の教習も試験もあるんじゃないか???
と思って調べてみた。
どうやらここ、人口6万人程度のロバ二エミなのに自動車教習所は7個ほどもあるようだ・・・(多すぎないか、需要と供給つり合ってるのかな??w)
そして片っ端から聞きにいってみると1つだけ英語で教習と試験をやってくれるところはあった。
ただ値段は他のところより少しあがる。
学科20時間
実技30時間
試験等その他受験料や申請料もろもろで・・・・・全部コミコミで1400ユーロ程度。
フィンランドの自動車学校は高いとフィンランド人は言うけれどそれは他の国のヨーロッパや北米なんかと比べた場合だ。
これでも日本よりは安い。
(本当に、そういう話を聞くと、日本の車の自動車教習所は本当に高いな・・・)
ストレートでいけば取得まで基本的に一ヶ月半というけれどそれだけに集中するんであればもう少し早くいけるという。
そしてもちろんその後3ヶ月間ここに住んだことを日本に帰ったときに証明できれば・・・日本での免許に切り替えることも出来る。
これはいい機会じゃないか??
シーズンの本格的に忙しい時期は12月から・・・ってことは今が10月中旬だから、今からはじめれば12月までにはドライバーになれる。
日本語以外で専門的なものを勉強して資格を取る・・・・
英語で何かを勉強するのはスペイン語以来の二回目となるけれど、スペイン語学習の時は身につこうが身につかまいが所詮自分の旅行のためだから何のプレッシャーも無ければ具体的な目標もあやふやだった。
だけど、今回はやるからには免許を取得しなければならない、ちゃんと運転できるようにならなければならない。
出来るだろうか・・・・
いや、所詮これが出来ないくらいなら海外で英語で日本人以外をガイドするのも務まらんだろう。
やってみよう!
といって、後日、この話をサファリ会社まで持って行った。
・・・・
だが・・・・それは出来ないと・・・
(当時は我を忘れて動いていたから夢中だったからわからなかったけど、今、客観的に考えたらまあ真っ当な会社としての判断だ)
っていうのはやはり車の免許を持っていないと外国人への労働許可の申請を安心して手続きを始めることが出来ないということ
そして新しいスタッフは11月からトレーニングを始めたいのに車の免許を持ってない状態じゃあその期間に北極圏を安全に走るためのトレーニングすら一緒に出来ない。
それじゃあ使えない・・・
そりゃあ当たり前だ!
本当にどの会社もちゃんとしてる、これは本当にいい事だ、ここは先進国だ。
そしてとある1社からはこんな連絡があった
『北極のかなり近いところの人里はなれた場所にホテルがあって、そこの施設のケアをするってのはどうだ??』
仕事内容は
ハウスキーピング
除雪作業など
ガイドが客を連れてきた際には簡単な案内をする・・・
だいたい労働許可の申請には一ヶ月ほどかかる。
今から申請すれば12月までには間に合う。
きっとそのマネージャーは、日本人旅行者がこれだけ訪れてるからってのと、これだけ押しかけてくるほど働く意欲がありそうだったら雇えるなら雇いたいって思ったのかな??
ありがたい話ではある・・・
だけど・・・・
少し冷静になって考えてみたんだけど・・・・もういいかな・・・・
そこまでしてここに残る必要は無いかな・・・
こんないきなり押しかけてきた外国人にも仕事を与えてくれること自体は本当にありがたい。
夢は犬ぞり操縦士に返り咲くこと、そもそもそう考え出した理由も振り返ってみたら『好きなことを仕事にしたい』っていう単純な思考回路からで
もちろん夢に向かってわずかな可能性に賭けてしがみつくのも悪くないけれど
どこかで損切的なラインも必要だと思った。
今年のラップランドではもう無理だけど来年への種は撒いてきた。
将来それにつながりそうなガイド業にも現段階で車の免許無しには就くことができない。
とりあえず今年はもう諦めよう。
もちろん人生どう転ぶかわからないから、まだ可能性はあるかもしれないのにやってみてもないのに決め付けるのはよくないけれど
太陽の当たる時間が限りなく短くて
前みたく好きな犬の世話とか出来るんならまだしも、淡々とした作業・・・
これを4~5ヶ月費やすのはちょっともったいない。
今の僕ならここから進路変更してそれ以上に有意義な半年にできそうな気もするし
それ相応にかなりの好待遇だったりとか本当にびっくりするくらい素晴らしいメンバーに恵まれるならまだやる価値はあるかも知れないけれど・・・それ以上の話はもう聞いてない
どっちに進むか、その先どうなるか進んでみないとわからないけど、せめて舵取りは自分でやる!!
今回とりあえず出来ることはやった。
言ってしまえば仕事はゲットできたわけで、こうやって見知らぬ場所でも何とか道は開ける、きっと生きていけることを知った。
それが出来たということは、今後何かしらのアイデア種にもなるかもしれないし
やっぱり何事でもやってみないと、行ってみないとわからない。
なんとなくやり方もつかめたわけだし、だから来年はもっと上手くやれるだろう。
まあもちろん、どうしても働きたくて、時間にもお金にも余裕があって、こういう風に現地にこれるのであればそっちの方がいいのはいいけれど、わざわざそんなことをやってる人なんてなかなかいないし。
次の年も同じように気持ちが変わっていなければ、次は北米もグリーンランドもアイスランドもスカンジナビアもアルプスなども全世界を視野に入れてもう一度トライしたいと思う。
というわけでこの日が、ロバ二エミ最終日、約一か月の滞在・・・いやあ長かった・・・
新しいチャレンジとしてここに来たのはいいけれど、ぶっちゃげほとんどダラダラしてた・・・・・
ああ、何もやることなくダラダラってつらいよな~。
しかし、ずーっと天気が悪かったのに、最後は信じられないほどの快晴。
ロバ二エミってこんなに美しい町だったんだ・・・・曇りの日とはぜんぜん違う。知らなかった・・・きっとその時の気分によっても見える景色って違うんだな。
今はすがすがしい気持ちだから、なんかドラマみたい。
イエローナイフでもそうだったけど北国の太陽ってこんな感じで一日中低い角度から照らしてくる為に、本当に景色は美しくカラフルに映える。
これ結構好き。
最後にもう一度サンタ村まで行って、それまで世界中のいろいろお世話になった人達へポストカードを投函し
(ここサンタビレッジには送り先へクリスマスに届けてくれるような特別なポストがあるようです、このArctic circleという線の左側は北極圏)
そしてルームメイトとして一緒に過ごした、いろいろと協力してくれたJoonas(犬好き)に別れを告げ、深夜特急便にてここロバニエミを発つことにした・・・・・
旅立ってから934日目・・・・・・・
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