外国人による民泊ビザ取得が増加中?八女のゲストハウスオーナー&市議会議員としてのリアルな懸念と使命
- Jiro Sakamoto
- 4月20日
- 読了時間: 9分
更新日:4月23日

たまに、外国人お客さんから空き家を買いたいという相談が来ることがあります。
そして、通訳がてらその商談に話に同席することもあるのですが……最近、無視できない情報が、、、、
どうやら中国語圏のSNSで、「日本の空き家は安く買える → 名ばかりの民泊開業でビザが取れる → あとは日本でのんびり暮らせる」って情報が拡散されてるようです。
(中国人を批判するつもりは全くないけれど、あまりにもアンバランスに増えすぎていることに問題意識を感じるのは当然のことです)
もちろん、中にはジャパニーズドリームに向かってまっとうに事業したい人もいると思います。でも中には、ただアジアで事業をする上でのブランドのために日本の永住権を取得したいとか「言論の自由がほしい」とか「中国と違って綺麗だし治安と医療がいいから」とかって理由だったり、更にはフリーライダー的に来ようとしてる人も、正直いるようです。
やっぱり、悔しいけれどそうなってしまう理屈は理解できます。
というのも僕もかつて日本を脱出して海外移住を目指していた頃は現地のそういう情報を調べに調べていたものだし、その国の制度の抜け穴を綱渡りしようとする野心を持っていましたから。
しかしながらこれは、地域と共にやってる立場からすると、かなりムカつく話です。
うちに来る中国人ゲストはほんとにいい人ばかりだし、誤解されたくないけど、こういう人たちがいると、まじめな外国人にまで火の粉が飛んでくるのです。僕の妻だってそうだし、友人にも沢山日本在住の外国人がいるから。
しかしながらもう、日本の空き家が安すぎることはもう世界中にバレてる。福岡空港からも近く、アクセスもけして悪くない八女なんて、今後のターゲットにされる可能性は十分あるだろう。
「合法的に空き家を買って、最低限の民泊(看板だけでやってるふり)を始めて、ビザ取得して、あとは日本でまったり暮らす、しかも資産は中国に残したままで低所得者として日本の公的支援は受けまくる」……みたいな流れもあり得るかもしれない。
🔍とはいえ、いろいろ調べてみた
ちゃんと調べてみた。そしたら、「ビザ取れる」のは最初の1年だけで、その後の更新では営業実態があるかガッツリ審査されるようです。
つまり、言ってみればこのヤフー記事の発行元である読売新聞がそこに言及しなかった(意図的かどうかわからないけれど)ミスリードや不安をあおる記事だったという評価に僕の中ではなってしまいます。信頼できると思っていた大手の新聞社でもそういうこともあるという事を身をもって知りました。(一度FBに勢いで投稿しましてちょっと恥ずかしい思いをしましたので、今後も情報の取り方には気を付けないとですね。)
結局のところ「ある程度商売になる場所じゃないと、継続は無理」ということです。『ゆるゆる民泊』じゃビザ更新できないわけで、実際うちくらい売上ないと…具体的には500万が基準になるだろうというから、それはうちでもギリギリかもしれませんw(去年と一昨年はもっと行ったけれど今年は若干怪しいので)
それから、中国人の知り合いに聞いたところ、「空き家で簡単に民泊 → ビザ取得 → 日本スローライフ」という流れは、実際にうまくいった人が“成功者ストーリー”として売り出し、それを信じた人たちが次々と動き出す……といういわゆる“情弱ビジネス”的な一面もあるようです。
日本でも「副業で月収100万円」みたいな情報商材ビジネスが一時期流行りましたが、それの中国ではやってる海外移住版、って感じです。開業サポート、物件紹介、ビザ申請サポート……といった名目でコンサル料を取るビジネスモデルになっていて、ぶっちゃけ本人がうまくいかなくても関係ないという世界。
昔だったら中国系の闇民泊が水面下でこっそり拡散されてたかもしれませんが、今は正式にルールが引かれたことによって表立ってどうどうと拡散が助長された側面もいっとあるでしょう、その結果、事業としての実態がないまま空き家が買い漁られたり、うまくいかずに放置された物件が増えたりと、地域にとっても日本にとってもリスクの高い動きになりかねません。
🏡田舎の空き家が狙われる可能性と現実
そして、この制度を悪用しようとする輩もいるだろうし、都市部などの商業価値が高いところだけではなく田舎の魅力とか、古民家の価値とか、外国に持ってかれる可能性はゼロではありません。
実際にヨーロッパでは似たようなこと起きてるみたいだし。今回は大阪がニュースになってるけど、そもそもニュースになるときってもうトレンドとして成熟してしまった状態であり、大阪の民泊やる人は苦境に立たされてると民泊仲間の知人はおっしゃってます。
今後の新たな流れとして、日本の都会はオワコンだ!八女のような自然豊かな田舎の古民家で日本の原風景を生かしたような『ユルユル型民泊』が競争も低く楽に稼げておいしい”って思う人も出てくるかもしれません。
だからこそ、僕がやらなきゃいけないことも見えてきました。
🌱“市税投入の宿泊施設”への見方も変わった
正直、今まで「やべのもり」「焚火の森キャンプフィールド」などやこれから宿泊施設にも生まれ変わる「男子焼きの里」みたいな、市の税金が大量に入ってる施設に対して、民間の宿泊事業者として不公平だな…って思ってた部分もあります。
立派な施設を作るのはいいけれど、資金力の弱い僕らのようなたいしてリフォームも出来ない素朴な宿泊施設だろうが、市税で数億円かけたような立派な宿泊施設だろうが市場にさらされるのは平等です。となると市税を投じて民間事業者を圧迫する側面も確実にあるだろう
でも、民間がやれないような高価格帯できっちりした業態・好立地に市が関与してるからこそ、外資にうまみを持っていかれない。そこが地域の防波堤になってくれるって考えると、全然見方が変わってきました。そういうとこにもしっかりと頑張ってもらいたいと思うようになりました。
確かに八女のそういった市税を投じた施設に関しては議会でも声が上がりましたが一社独占状態にあるという問題意識は感じます、、、しかしながら、他が立ち上がらないからやむをえない事情もある、、、そんなことで足を引っ張ってる場合じゃない、こればかりは現段階では仕方ないことだし、議論が別になるのでまた別の機会に、、、
🏃♂️議員としてできる事
観光振興課には、指定管理の宿泊施設に中国語対応できるスタッフの強化をお願いしてみようと思います。あと、市内の宿泊事業者との連携強化も、ゴリ押ししてみます。
(※指定管理スタッフの人事に市がどこまで関われるかは確認してみます)
そもそもなぜ中国は勢いがあり、日本は勢いを失っているのか?
中国の社会体制は「共産党一党支配」とは言え、実態としては国家主導の資本主義と言われています。大胆な規制緩和や国家の号令での産業推進が可能で、スピード感と実験的なチャレンジがどんどん進みます。失敗しても次に進める“トライ&エラー文化”が経済を加速させているようです。
一方の日本は「民主主義国家」ですが、シルバー民主主義(高齢層中心の政治)による福祉偏重や、社会的同調圧力が強く、挑戦や変革に慎重すぎる空気が経済成長のブレーキになっているとも言えます。「出る杭は打たれる」文化がイノベーションの芽を摘んでしまうことも。実際に中に入ってみて、人口動態だったり選挙の仕組みが変わらないとこれは正直変えられないと痛感しています。
それから僕には中国在住歴が長い日本人の友人だったり、日本在住歴の長い中国人の友人もいるのですが、彼らのいう事がちょっと興味深いのです。
中国は国が言論統制しているが人々の間では自由に意見ができる
逆に日本は言論統制は今のところないが、人々の目が厳しくSNSなどでは人々に叩かれたりする。日本にはけしからん罪という何とも言語化できないような社会的制裁がふわっと存在するのに対し、中国は国家さえ批判しなければ何を言おうと何をしようと自由である。
つまり、日本は実態としては相互監視による言論の自由のない社会主義国であるのに対し
中国は国さえ批判しなければなんでも喋れる資本主義である
という意見もあります。
双方にもメリット、デメリットがあり、どちらが良いかというのはまた別の議論になると思いますし、どの観点かにもよります。これは非常に面白いテーマなのでまた別の機会に記事にまとめたいです。
🛡️ゲストハウスの主×市議会議員の決意
つまり、日本が時代の流れに沿って変わることに対してすごく保守的でいる間に中国は恐ろしいスピードで変わっていく、僕らが互いに足を引っ張りあって経済成長を抑制されている間に、あちらはトライアンドエラーしまくって成長していく流れが助長されています。このままではマジでヤバいと思っています。
しかしながらこれは僕にとってあまりにもテーマが大きすぎるし重すぎる。
まずは、個人レベルでできる防衛としては、八女の古民家・田舎ビジネスが中華資本にうまみだけ持ってかれないように、、、
『田舎やお茶や古民家など日本らしさの良さを伝える外国人向けの事業』というこの分野においては、良くも悪くもうち(天空の茶屋敷)が八女では一番目立ってる自覚ある。
つまりは、そういった海外からのフリーライダー目的で来る人達を排除するために、うちが強力な競合相手として立ちはだかっていれば、彼らがそれ目的で参入しずらくなる側面は絶対にあるだろうから。今後も引き続きガンガン目立っていくビジョンはもっていてよいだろう。
使命感持ってこの山、自分が守るしかないw
という考えに至りました。(もちろん八女市の宿仲間達が盛り上がるのも大歓迎です)
あとは、「チャレンジする人だったり出る杭を打ったり人の足を引っ張ってる場合じゃない、そんなことしているうちに日本そのものが飲み込まれるぞ!」というメッセージを伝えていきたいですし、むしろ「やっちゃいなよ!」って、背中を押し合える世の中になっていってほしいものです。
今後も議員としてできることもいくらかはあると思いますし、そして事業者としても、そこらへんはしっかり目を光らせていきます。
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