この記事に辿り着く皆さんご存じの通り、ちょうど1か月後の11月10日の市長選に向けて2名の方が出馬表明しています。(おそらくこれ以上は出ないだろうという前提で話を進めさせていただきます)
そして、いち市議会議員として、今回の市長選についてどう考えているか、どちらを応援してるかという意見を聞かれる機会が増えたので、1ヵ月切ったことだし、極力わかりやすく僕の考えをお伝えしようと思います。
実際に僕のところに間接的に「どちらに投票すればよいですか?」などの電話問い合わせもあったりしました、きっとそれらは氷山の一角であり自分の頭で考えないで投票する人ってたくさんいるんだろうなって改めて実感しました。「もうちょっと自分で調べてちゃんと考えて投票してくれよ」と思うのもそうですが、政治ってなんやら物騒だし、それを実際に知るすべもわからない(実際に自分がそうだった)それらを柔らかく伝えてくれる人がいなさすぎるというのにも問題意識を感じます。
※画像は八女公式HPより拝借
僕自身、つい一年半前まで政治からも行政からも最も遠い位置にいた身ではありますが
議員になってから一年半、地方政治のリアルを目の当たりにしながらも自分なりに地方自治や地方創生に関して勉強してきた身分ですし、当然、僕は立場上これを読んでる皆様から見れば双方ともかなり近い距離にいます。
過去には双方とも長時間にわたりしっかりと議論したこともあればお酒を飲んでぶっちゃげトークを語ったりしたこともありますので、双方の人となりもこれを読んでる皆さんよりもわかってるはずです。
それを踏まえて考えれば僕の見解も一つの判断材料として参考になるだろうし
(もちろんベテランの方々からまだまだ甘いといわれるかもしれないですが)
政治のことはよくわからない、本当にどちらに投じたらよいか迷うという方にとってはきっと参考になる部分もあると思います。
この記事はなるべく公平な客観的見解、次の記事は実際に僕がどう考察してどちらに投票するかを書いています。次の記事はなるべく見ずにどうか自分の頭で考えて決めていただけたらと思います(最悪わからなければ自分の好みでも何でもよいからどうか自分の頭で)
出馬を表明された二名とそのバックグラウンドに関して
『八女をよく知り地方自治の現実をよく知ってるからこその堅実なベテランの知恵』
生まれも育ちも八女であり、これまで行政マン一筋で八女に従事してこられ、副市長まで上り詰めた。
松尾かずあきさん、64歳
『日本の中央や海外を観てきたからこそ見える八女の可能性』
幼少期を八女で過ごし、経済産業省に10年間従事し、そのプログラムで海外留学に行ったりと華のある経歴。
蓑原ゆうたろうさん、34歳
お二方のキャラクターを僕の主観から補足しておくと
松尾さんに関して、
副市長までなるというのは行政という組織でトップまで昇り詰めたということです。
(八女市でこれ以上を目指すなら出馬して市長になるしかありません)
国土交通大臣から表彰された実績もあり、組織の中でうまくやってきた社内政治力もバツグンでものすごく優秀な人なんだということがわかります。
私的なエピソードですが、8年前に松尾さんが課長だったころ僕の事業の『天空の茶屋敷』がゲストハウスでも何でもない山奥の空き家だったころ、そこに地域活性化事業として一番最初の補助金申請した時には「そんな山奥の遊びに予算なんてつけても何もならんやろ」という世論があり、そしてそれを誰がやっていくのかというと当時は田舎移住して無職でプラプラしていた坂本治郎。当時の世論から言えばそういった訳のわからないモノにもGoサインを出してくれたというエピソードもある洞察力のある恩人です。それは後々に「空き家有効活用からの地域活性化成功事例」となりました。
笠原はそんなに変えれてませんが、一つの集落は確実に変えました。
(自分の事業のことを自画自賛すんなと言われそうですが、あくまで松尾さんの一つの実績と側面を伝えてるだけなのでご容赦ください)
また、僕が議員でも何でもないただのイチ事業主だったころに3年前に出した著書も購読してくれたという。つまり規模の大きな政策だけを見ているではなく草の根の移住者の活動にもしっかりと目を向けてくれる人柄です。
蓑原さんに関して
国立大学→国家公務員っていうのがもはや異次元すぎるほどにすごい経歴。
プロフィールに書いてないけれど、獣医師免許を持っていたり(猟銃免許も持っていたり)
それから英語も堪能です。英語が堪能というのは一つのスキルというだけでなく実際に外国人とたくさん議論してきた経験があるということなので視野もものすごく広い方だということがわかります。何よりも、経歴や資格特技だけでなく、八女に戻ってきてたった4か月で組織の後ろ盾もない中で、彗星のように現れた彼に共感するたくさんの支持者を集めることができたということ、政治力という意味ではこれ自体ものすごい実績だと思います。
それから令和の夫婦像がそうなのか、奥さんが黙って一歩後ろをついてくるという感覚ではなく、夫婦一緒に協力しあって二人三脚でこの選挙に臨んでるという印象が評判良かったりもします。東京都知事選の安野さん夫婦みたいな感じ、これはやっぱりご年配政治家にはなかなか出せない感覚です。
そして、これも当たり前の前提なのですが、今回の選挙出馬にあたり、二人とも辞職をしています。二人とも誰もが羨むような役職についていながらもそれを手放してのチャレンジ、どちらにとっても相手はかなり手ごわく、勝てる保証なんてどこにもない、そして息が詰まりそうになるほどの保守的な地方政治の中において、八女を良くしたいと立ち上がられた、一世一代の大きなチャレンジに敬意と感謝いたします。
どちらも保守路線なので今回は自民党が二つに割れてしまう構造になったそうですが、現職の三田村市長の後継という形である松尾さんの方に正式に自民党の推薦が入りました。蓑原さんには今のご時世に有利な風である若さボーナスがあるとはいえ一般的な見解では保守的な八女において、多くの年配の方々は自民党神話が根強いだろうから松尾さんの方が断然有利かもしれません。
先月企画された公開討論会の動画にてその人となりがなんとなくわかるかと思います。
(企画の方、ありがとうございました。とても良い企画でした)
どちらもとても頭がよく弁論もすごい、とても優秀で頭脳明晰な二人のレベルの高い選挙だということがわかります。
ついついなのかもしれませんが公平であるべき司会者の方へも若干の批判も散見されました、僕もそうですが現職後継の方がさすがに突っ込みたくなるところはあるので、後半で司会者の方が松尾さんに突っ込みすぎていて松尾さん側からすれば不利な場ではあったけれども、そこは市民や職員も聞きたかったことでもあったはずですので個人的に司会者の方は良い仕事されたなと思ってますが。この場における不公平は確かにそうかもですね。
そして、このような不利な状況においても自分の想いをしっかりと発言されてた松尾さんは立派だと思うし、事実関係はさておきみんなが見ているこの場で部下の事を守ろうと断言した強い姿勢を評価されてるという声も頂きます。
とてもレベルの高いとてもいい選挙なるだろうけれど、別の考え方で言えばこの二人からどちらに投票するかを選ばないといけない、どちらかが落ちなければならないというのは正直キツイものです。(どちらも保守路線なんだから勝った方が市長、負けた方が副市長になってくれたらいいのに、、、という声も聞きます。 まったくもって僕もそう思いますが、当然二人ともそういうつもりでは出馬しないし実態としてバチバチな世論が形成されている以上難しいでしょう)
政策面に関して思うこと
どちらも十分魅力的な人物像であり、どちらに入れればよいのかわからない。本当に迷っている、という声を聞きます。となれば政策やビジョンで判断するしかないでしょう。
というかそもそも人柄や恩などで投票を考えるということ自体がかなり危険だという考え方もあります。人間なので恩がある方を応援したい心理は非常にわかります。しかしながその考え方そのものがズブズブ政治に繋がっていくのだろうし、過去の恩などを引っ張り出すと現職圧倒的有利になってしまい公平性がなくなり硬直してしまう政治腐敗な世の中になったりしてるわけで、、、そして人柄がよいというのもデメリットにもなりえます「誰にでもよい顔」は「ダメなものはダメと言えず慣例や右へ倣えになる」「ズブズブな汚職が形成されやすい」ということにつながりえる側面もあるからです
優秀な経営者は人格的にサイコパスだったりもするそうです、もちろん政治とビジネスは同じに考えてはいけませんが。
また、八女への過去の貢献度で考えるなら、松尾さん一択になってしまう。
これから活躍するであろう若者が、これまでの激動の中を生き残ったベテランと戦うのはまた公平性に欠けると思います。そういった若者不利な考え方の世論自体が世界に類を見ないシルバー民主主義につながるのではないでしょうか。
過去に八女にどれだけ貢献したか、ではなく未来の八女を良くしてくれるのはどちらか?
なので、お二人の過去の経歴はちろん判断材料としては良いですが、過去の八女への貢献度は切り離して考えないと
僕は今回、どちらの講演会にも2回づつ顔を出してどちらの話も聞きました
(八女市議会議員の中でも最も政治色がないからと言うのもあり厚顔無恥だからというのもありますが、おそらく議員の中でもこのような自由な動きをしたのは僕くらいなものです)
八女の発展のために推進していきたい課題というのはおおむね似ているような気がするけれどその意識や考え方はだいぶ違うなと感じました。
松尾さんは
『国とのつながりを強固にしてたくさん事業の予算を八女に引っ張ってくる、特に道路機能を強化したいという』点に強い意気込みを感じるのに対し
蓑原さんは
『国も八女も先細りしていく中、よりより八女を未来へつなぐために自分たちで稼げる八女を作ろう』ということに強い意気込みを感じます。
ちなみに、たまにこんな極端なことをいう人もいますがこれはゼロヒャクの問題ではなく
決して松尾さんが国だよりばかりで稼げる八女を作る気がないとか、蓑原さんが中央に全く頼らない政治をするとかいうことではありません、どちらもその両方についてしっかりと仕事していくはずです。あくまで特に力を入れたい部分、ビジョンの違いです。
(近いもので言えば就職面接などで御社への志望動機、何を実現したいかを聞かれてるようなものです)
松尾さんは職員の働きやすさを改善するためには支所機能を強化、具体的に支所長を部長級の権限を付与し、旧郡部の声を強くすることにより旧郡部の個性を大切にするということを公言しています。そして、八女市初の女性副市長をとのことです。
僕も市議会の議会活性化委員会では「議員の定数が問題ではなく女性議員がいないことによる男性政治になっていることが問題だと思う」と発言していますし、まずはここらへんを着実に変化させるという点には共感します。願わくば地域の区長さんも半分女性になっていただけるのが望ましい、そして自分が就任中に堅実な仕組改善して次の市長に申し送りたいと言っておられました。
(ちなみに小規模による松尾さんを囲む会では安芸高田のような優秀な女性副市長を是非公募してほしいと意見が出てきたけれど「八女の風土には外部人材は難しいだろう」という返答でした。ということは今いる誰かを女性副市長にする構想なのでしょうか、、、)
『これまでの流れを大切にし、現実性のある堅実な改善をしていきながら、国の政策に乗っかりガンガン八女にお金を引っ張っていく』という印象です。
蓑原さんは、仕組化だけではなく市長の若さとエネルギーで自ら支所を回り意見を拾い上げていく姿勢。市民の皆さんがいい暮らしをするために八女の強みを生かしてしっかりと稼げる仕組みを構築する構想をたくさん持っています。
テーマである「八女を世界に!」にあるように伸びてる産業に力をいれ、トップセールスとして海外市場にしっかりとアプローチしていく。『現状維持=沈みゆく大きな船』といわれるように、これから残る自治体を作るためには適切なトライアンドエラーをしていく必要があると強く訴えています。そして無駄な税金の使い道をやめて財政の健全化をし福祉の充実、教育に投資を!!
『この土地、そして先人たちが作り上げてきたものを強みとして市民に豊かさを!』
すごく雑かもしれませんが、対立構図をわかりやすくまとめるとこんな感じかと思われます
『八女をよく知る松尾さん』vs『幅広い世界を見てきた蓑原さん』
『現実を語る松尾さん』vs『夢を語る蓑原さん』
『国からガンガンお金を引っ張ってくる八女市』vs『個人がガンガン稼げる八女市』
『特に道路に力を入れる』vs『特に教育に力を入れる』
『ベテランの安心感』vs『若さと新しい風』
『堅実な変化をしていく』vs『新しいことにも果敢にチャレンジ』
『安心感』vs『ワクワク』
この記事を書いているだけで僕も非常に楽しくなったのですが、とても明るいなと思った点はどちらが当選しても今の市長よりも若返り、確実に良くなると思える事。
この二方は対比は本当に真逆であり、非常に面白い選挙だと改めて思いました。
それから、どうしても選挙となると支持する人の相手側のあらを探してをような足を引っ張る、貶めるような怪文書や発言が目立ってしまいます、そんなことだから物騒な政治離れが起こってるんだろうな、、、
物事は複雑であり、未来のことが見える人なんていないはずなのに、いろんなポジションと色んな観点があり100%のみんなにとって絶対にこっちが正解というのはないはずです。youtubeのコメントにもありましたが、もちろん双方に強みもあれば双方にデメリットもあるはず。
だから、どっちが正解とかそういうことではなく、どっちの未来信じるか!
の一人ひとりの意思表示です。
どうかみなさん、高校球児のようにフェアな試合を!!
・・・・
それから、坂本はいち議員としてどのように考えてどっちに投票するか、どちらの未来を信じるか、その考察は次の記事に書きました。今回の記事は双方に公平な観点で僕の主観から書いているつもりですが次の記事は片方に偏った意見と考察になっておりますので、坂本がどっち派なのかが気になる方だけ、そこを理解した上で読んでいただければ、反対の候補を応援されてる方は後半読まないもしくは「へぇー、そんな観点や考え方もあるんだね」ぐらいの感覚で、どうか怒りを抑えながら勉強のつもりで読むのをお勧めします。
(片方をディスるつもりはないけれど、片方を応援する上でどうしてもその側面がでてしまうので、、、)
こちら↓
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